シャンプーの成分表の見方 — 裏面ラベル、ここだけ見ればいい
ドラッグストアでシャンプーの裏面をひっくり返して、成分表を見たことはありますか。
僕はあります。というか、職業病で毎回やります。レジに並んでる人の視線が痛い。
でも正直に言うと、成分表を全部読む必要はないです。20個も30個も並んでる成分を一つ一つ調べるなんて、化学者でもやらない。見るべきは2番目と3番目だけ。これだけで「このシャンプー、自分に合うかどうか」は8割わかります。
この記事では、僕がサロンのカウンセリングで実際にお客様に説明している「成分表の見方」を、そのまま書きます。
成分表の並び順には法律がある
まず前提。シャンプーの成分表は、配合量が多い順に並べるルールです(薬機法で決まってる)。つまり一番上に書いてある成分が一番たくさん入っている。
で、ほぼ全てのシャンプーで1番目は「水」です。そりゃそうだ、液体だから。
だから見るのは2番目から。2番目と3番目に書いてある成分が、そのシャンプーの「性格」を決めるメインの洗浄成分です。ここがアミノ酸系なのか、硫酸系なのか、ベタイン系なのかで、洗い上がりがまるで違う。
成分表の見方 — 3行まとめ
- 1番目:水(無視してOK)
- 2〜3番目:メイン洗浄成分(ここだけ見る)
- 4番目以降:補助成分・コンディショニング剤(こだわる人向け)
実際の成分表を読んでみる
理屈だけ言っても伝わらないので、よくあるパターンを2つ並べます。
パターンA:ドラッグストアの500円シャンプー
水、ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Na、コカミドDEA、ジステアリン酸グリコール...
2番目と3番目に「硫酸」の文字が見えます。これが硫酸系(サルフェート系)シャンプーの典型。洗浄力はかなり強い。脂性肌で夕方にはベタつくという人には向いてるけど、乾燥肌や敏感肌の人が毎日使うと、頭皮がカサカサになりやすい。
ちなみに「ラウリル」と「ラウレス」は別物です。ラウリルのほうが分子が小さくて刺激が強い。最近は市販品でもラウリルを使うメーカーは減ってきたけど、まだあります。
パターンB:美容室専売の3,000円シャンプー
水、ココイルグルタミン酸TEA、コカミドプロピルベタイン、ココイルメチルタウリンNa...
「グルタミン酸」が入っていたらアミノ酸系。「ベタイン」はベタイン系。この組み合わせは、洗浄力は控えめだけど頭皮への刺激がかなり低い。乾燥肌や敏感肌の人、カラーの色持ちを重視する人に向いてる処方です。
ただ — ここが大事なんですが — 3,000円だからいいシャンプーとは限らない。500円のシャンプーでも2番目にアミノ酸系が来てることはあるし、3,000円でも硫酸系のものはある。値段じゃなくて、成分表で選ぶ。これがソムリエとしての本音です。
成分名のどこを見れば種類がわかるか
成分名は長くて読みにくい。「ラウロイルメチルアラニンNa」とか、呪文みたいで嫌になりますよね。
ただ、覚え方がある。成分名の末尾のキーワードだけ見ればいい。
| 末尾に含まれるワード | 成分の種類 | 洗浄力 | 刺激 |
|---|---|---|---|
| グルタミン酸、アラニン、グリシン | アミノ酸系 | おだやか | 低い |
| タウリン | タウリン系 | おだやか | 低い |
| ベタイン | ベタイン系 | おだやか | 低い |
| 硫酸 | 硫酸系 | 強い | 高め |
| オレフィンスルホン酸 | オレフィン系 | 強い | やや高め |
| 石ケン素地、脂肪酸K | 石けん系 | 強い | 中程度 |
全部で6種類。覚えるのは末尾のキーワードだけ。「硫酸」が見えたら硫酸系、「グルタミン酸」が見えたらアミノ酸系。これでもう成分表が読めるようになった、と僕は思ってます。
「サルフェートフリー」の落とし穴
最近よく見かけるのが「サルフェートフリー」の表示。硫酸系を使ってませんよ、という意味なんですが、これを見て安心するのは早い。
理由は単純で、硫酸系の代わりに「オレフィン(C14-16)スルホン酸Na」を使っているシャンプーが結構あるから。これは硫酸系ではないけど、洗浄力と刺激性はほぼ同じレベル。サルフェートフリーの看板を掲げつつ、実質的にはガッツリ洗うシャンプーだったりする。
嘘は言ってない。でも、知らないと誤解する。こういうのが成分表を読めるようになるメリットです。ラベルの表のキャッチコピーじゃなくて、裏面の事実を見て選べるようになる。
頭皮タイプ別、成分表でチェックすべきポイント
乾燥肌・敏感肌のあなた
2番目・3番目に「グルタミン酸」「アラニン」「ベタイン」「タウリン」のどれかがあればOK。逆に「硫酸」「スルホン酸」が来ていたら、毎日使うには洗浄力が強すぎるかもしれません。
脂性肌のあなた
アミノ酸系だけだと洗い残しを感じることがある。硫酸系やオレフィン系が合う人もいるし、アミノ酸系+ベタイン系の組み合わせで「やさしいけどしっかり洗える」処方もある。成分表の3番目・4番目まで見てみてください。
自分の頭皮タイプがわからない人
それが一番多いパターンです。サロンに来るお客様の7割はそう。気になる方は頭皮チェックを試してみてください。5問で目安がわかります。
成分表は「答え」じゃなくて「判断材料」です。同じアミノ酸系でも処方全体のバランスで使用感は変わる。でも、成分表が読めるだけで「広告に振り回される」ことはなくなります。
木村芳樹 — シャンプーソムリエ
よくある質問
成分表に「水」が書いてないシャンプーもある?
あります。固形シャンプーや粉末タイプは水が入っていないので、1番目からいきなり洗浄成分が来ます。その場合は1番目と2番目を見てください。考え方は同じです。
成分の数が多いほど良いシャンプー?
関係ないです。成分が30個並んでいても、後半の成分は配合量がごく微量で、正直使用感への影響はほとんどありません。大事なのはあくまで上位3〜5成分。
「アミノ酸系配合」と書いてあるのに、2番目が硫酸系だった
それ、よくあるケースです。「配合」としか書いてないので、3番目や4番目にアミノ酸系が少し入っていれば嘘にはならない。メインの洗浄剤は硫酸系というパターン。だから成分表の「順番」が大事なんです。
成分表を見てもよくわからない場合は?
気になる方はサロンにお気軽にご相談ください。
成分表の読み方がわかったら、次は自分の頭皮タイプに合う成分を知ることです。